2017年1月13日金曜日

音声認識を使ったプロジェクトから考える変化の時代

 先日あるプロジェクトで、「現場で作業をする人の会話を文字化する」ということを実験的に取り組むことになった。実験的というのは、「作業しながら話をしている声をちゃんと認識できるのか」とか、「業界の専門用語があるんだけど、そういうの認識できるのか」とか。できたらいいなだけど、色々課題はありそうなので、とりあえず実験するということ。POCってやつね。Proof of Concept。コンセプトが実現できるのかを実証する。


 ぼくらはMAGELLAN BLOCKSを使って実験。今回は、音声を認識するだけなので、独自の学習モデルとかは作らず、BLOCKSに登録されているGoogleの学習済み音声認識機能ブロックを使った。

 もうひとつは、国内でも圧倒的実績のある音声認識パッケージ。なんでもこの業界の専門用語を数万語登録してあるという。

 Googleの音声認識機能というのは、Speech APIという名前のクラウドサービス。Googleがこれまで様々なサービスで培ってきた機能を、クラウドで使える。

 これって何かというと、Androidで「OK, Google!」って言うと質問に答えてくれるヤツ、あるよね?あのサービスって、世界中の人が使えば使うほど、Googleの機械学習が、音声について学んでいる。学べば学ぶほど、OK Googleは便利になるわけだから、世界中の人が使って、世界中の人が便利になるという仕組みのサービスなんだよ。

 Googleが得意なのは、こういう機械学習で、教師なし学習というやつ。どういうことかというと、荒っぽく例えるなら学校の試験で出るような難しい問題があるとして、数学とか物理とか、答えよりも解き方が重要なやつ。そういうやつを、問題と答えだけたくさん見せていくと、コンピュータは解き方を見つけ出してしまう。そんな感じ。解き方を教えなくても、自分で見つけ出すので「教師なし」。

 で、さっきのプロジェクト。Googleは、単純に世界中の人との会話で学んだだけ。一方は、専門用語辞書を万全に備えた仕組み。


 結果は、BLOCKSの圧勝だった。つまりGoogleの圧勝ね。

 このプロジェクトの結果は、いろいろ考えることが多かった。だって、対抗馬になった仕組みは、実績もあるのでプログラム的にはよくできているんだと思う。そして専門用語をたくさん用意してあるのでデータも充分。
 
 Googleの仕組みがどうなっているのかは知らないけれど、TensorFlowで開発されたソースを色々見てきた感覚で言うと、音声認識をするニューラルネットワーク自体は驚くほどシンプルなんだと思う。100行程度だったりとかね。
 じゃぁデータはどうなんだろう?「OK. Google」に話かけた音声。あれって機械学習に学習させたら、もういらないわけだ。つまり、世界中の人たちが話しかけた言葉、音声自体は、学習させたら不要。だって、学習させた結果、学習した学習済みモデルがあればいいわけであって、一つ一つのデータはいらない。

 こう考えていくと、すごく時間をかけて巨大なプログラムを準備することとか、大量のデータを持っていることとかは、もはやそれほど重要ではないのかとさえ思えてくる。(とはいえ大量のデータがあるから学べるので、この表現は難しいんだけど。)シンプルな構造と、上手にデータを学習させる。つまり加工して持っていること。そちらの方がよっぽど大切だし、そういう時代なんだろうと思う。

 大量のエンジニアを投入した、数千万ステップのシステムとか。もしかしたらそういうこと自体、もはやダメなシステムの証なんじゃないかと。

 AIがどうのこうのという以前に、もしかしたらとてつもないイノベーションの真っ只中。その本質を理解することが、とても大切な、そういう時代なんだろうな。

2017年1月11日水曜日

ぼくらがBLOCKSで機械学習サービス「MLボード」をリリースする理由

 社会は、ますます複雑化してきているし、世の中は不連続な出来事であふれているかのようだ。理解しがたく、未来が見通しにくい時、人は過剰な行動で何かを守ろうとするのかもしれない。

 世界では、飢えや貧困に苦しむ人がいる一方で、生産される食料の3分の1は廃棄されている。「もったいない」という精神が息づいていると賞賛された日本は、食料廃棄率では世界一で、5,000万人の人が一年間に食べる量を毎年捨てているのだ。

 その一方、流通業の課題は廃棄ロスとチャンスロスだと言われている。仕入れすぎて廃棄せざるをえないロスと、せっかく欲しい人がいるのに、商品を渡せないというロス。

 欲しいものがいつでも手に入り、電気もガスも水道も、途切れることなく提供される。電車もバスも時間通りに来て、注文したものは時間通りに届く。友達とはSNSでいつでも会話ができるし、行きたかったコンサートの情報は、間違いなく届いてくれる。

 便利な社会は、みんなが望んだから成立しているわけなので、望んだ未来がだんだん形作られているとも言える。でもその一方で壮絶なる無駄があり、世界のどこかで苦しむ人がいることを無視したかのような繁栄は、本当にいいのかとも思ってしまう。

 だからこそ。便利さを維持するためにも。無駄な部分をどうやって切り詰めていくことができるのかを、企業も社会も真剣に考えている人たちがいるのだ。そしてぼくたちは、真剣に社会の不合理なところと向き合っている人たちが、自分の手で確かめ、自分で考え、解決していくための手段を提供していきたい。そう思ってサービスを磨いてきた。


今日、MAGELLAN BLOCKSに新しく機械学習機能「Machine Learningボード」(MLボード)をαリリースします。αリリースというのは、まずは試験的にも使ってみたいと望んでいる人だけに使ってもらうリリース。

 これまでは、グルーヴノーツがコンサルティングしながらMLボードを使っていた。そしてこれからは、コンサルタントがいなくても自分でできる。でもコンサルタントがいないということで、使いにくいところがあるかもしれない。そういうところに耳を傾け、改善していく。それがα、その後に一般公開するのがβ。この段階では、もっと多くの人に使ってもらう、さらに改善を行って最終リリースに持ち込む。評判になったりとか、話題になったりとかよりも、本当に必要とされるものに磨き上げていく。そういうことの方が、ずっと重要だと思う。だから、面倒臭いかもしれないけれど、こうやって段階を踏んだリリースをする。

 そして、最初にリリースするのは、「数値回帰モデル」と「数値分類モデル」。

 数値回帰モデルとは、需要予測に使えるニューラルネットワーク。数値分類は、カードの不正利用や、地勢的な需要分類など、与えた因子の傾向から指定された分類を行うニューラルネットワーク。(今後も新しい課題解決のモデルを、どんどんリリースするからね。)

 数値というのは、数字の羅列からコンピュータがパターンを読み取ってくれるということ。需要予測に使うなら、需要の因子となっている情報を並べると、BLOCKSは特徴を自動的に調べていき、どういう場合には何個売れるのか、どういう場合には何人の人がやってくるのか。そういうことを予測してくれる。天候が因子なのかもしれないし、価格が因子になるのかもしれない。もしかしたら、季節的な出来事が因子になっているのかもしれない。そういう因子を並べれば、あとはBLOCKSが自分で考えてくれる。どこをどう見てほしいとか、伝える必要もない。

 そして、使いこなすためにプログラムを作る必要はないし、機械学習に関する知識もいらない。

 必要なのは、ビジネスに関する知識、現場を想像できる力。予測精度が思うようにでないなら、与えた因子が違うのでは、というところから見直してほしい。だからこそ、人はなぜ買いたいと思うのか、人はなぜ行動するのか。そういう根源的なことをちゃんと考えなければならない。

 IT技術者のための機械学習では、社会に浸透しないし、社会が本当に変わっていく力にはならない。だからこそ

 機械学習の民主化

 それがぼくらがめざしていること。

 MAGELLAN BLOCKSの機械学習サービス「MLボード」は、今日の午後リリース。
是非試してみたいという人は、こちらから申し込んでください。


 まずは一歩を。踏み出すことができれば、踏み出した数だけ未来を変えることができる。

2016年12月15日木曜日

機械学習の民主化


コンピュータ業界は、いつの間にか随分と独りよがりになってしまったように見える。
技術の進歩が、簡単に理解しにくいものを産んだとも言えるけど、「エキスパート」であることが収益につながる業界の構造が産み出したとも言える。

「専門家による専門家のための」というような、閉ざされた感覚。

本来コンピュータは、人の活動をよりよくしていくための道具でしかない。技術の進歩は、社会の要請があってはじめて事業として成り立つわけだから、多くの人が取り組めない仕組みは、滅びゆく楼閣でしかないわけだ。

そして機械学習。特に深層学習という手法。

ある事象と、その予兆と思われる因子を与えると、コンピュータが特徴を調べる。適切な因子を与えることができると、それだけで事象を正確に予見しはじめるというものだ。

例えば清涼飲料水の販売数予測。予測因子として、気温、湿度、曜日などが考えられるとする。その場合、毎日の気候データとその日の販売数をコンピュータに見せていくと、「どのような数字の羅列(気候データ)があると、どのような数値(販売数)になるのか」という特徴を計算。その結果、「来週の木曜日、天気予報はこうだけど、コーラは何本売れるか」ということに答えを出していくのだ。

こういう仕組みを考えるとき、大きく二つの要因がたちはだかる。

一つは、こうしたコンピュータの仕組み。プログラムとかサーバーとか。そういうやつ。
もう一つは、予測因子。ある事象の予兆と思われる要因を見つけること。

最初の仕組みは、ITの知識、数学の知識、ニューラルネットワークの知識など、コンピュータに関する専門知識が必要となる。

二つ目は、ビジネスの知識。その商品はなぜ売れるのかという、本質的には、そのビジネスに関わる人が考えるべき思考・知識を必要とする。

機械学習の難しさは、この2つを合せ持つ人が世の中にほとんどいないということだとも言える。

だから、ぼくらは最初の「仕組み」について、MAGELLAN BLOCKSという道具を使って、誰もが簡単に取り組めるようにする。
予測因子を考えることができ、データを集めることができれば、誰でも。つまりプログラムを組まなくても、機械学習を駆使することができる。

そうすれば、ビジネスの専門家だけがいればいい。ビジネスに取り組む人が、真剣にビジネスを考えれば、どんどん前に進める。しかも、誰かが作った汎用的な学習機能ではなく、自分独自の。自分のビジネスだからこそ学習できるものを。

そう。未来を大きく変える可能性を秘めた機械学習を、専門家だけの道具にしてはいけない。だからこそ、ぼくたちはBLOCKSを通じて、機械学習の民主化を実現していく。

詳しい内容は、12月15日15時のイベントで説明します。今日なんだけどね。
そして、テクノロジーの民主化がもたらす未来を考えるイベントは、今週の金曜日、福岡で

直前なのは、宣伝したくないわけじゃないけど、すべての人に伝わらなくてもいいと思っていたりもする。そうしなくたって、未来は確実にやってくる。しかも、未来は不合理を壊しながら訪れる。そう信じているから。

2016年8月2日火曜日

三重県鈴木知事に来社いただきました

人の縁は、不思議な偶然でつながるものだ。
たまたま当社の佐々木を訪ねてきた人が、ぼくと20年前に仕事で接点があった人で、その人が、たまたま福岡に訪問された三重県の鈴木知事に、「福岡に面白い会社がありますよ」という助言をしてくれたことで、なんと知事が訪問していただくことになった。
もちろん首長の訪問はこれがはじめてではなく、オフィスオープン時に誰よりも早く高島市長に訪問いただいた。けれど残念ながらオープニング・イベントもあったので、まとまった時間が取れず、さらっと説明しただけ。ほんとにすみませんでした。
今回の知事訪問は、スケジュールの都合もあったのだと思うけど、比較的時間に余裕があったこともあり、資料も用意して、佐々木と二人でジックリと説明させていただきました。
ぼくらがやっているサービス「MAGELLAN BLOCKS」は、「圧倒的をすべてのひとに」というコンセプトで、IoTやビッグデータを、誰でも簡単に取り扱えるようにしているそして、これからリリースする機械学習サービスも、やっぱりプログラミングとか意識することなく、できるだけ手軽に扱えるようにしている。そうしたことなどを、利用する企業は何を狙っているのか。産業に与える影響は何か。などをご説明させていただいた。
こうしたサービスは、IT部門の人たちだけではなく、事業サイドの人たちにも、新しい事業の形を模索する武器になるはずだし、IT部門を抱えられないような企業にも、IoTや機械学習という新たな武器で、事業を研ぎ澄ませるキッカケにもなるはず。
つまり九州にある多くの企業にも、これまでとは全く違うアプローチで事業拡大していくチャンスを与えるのだ。
実際多くの企業と、今こうした取り組みをスタートしていて、特に九州では社会インフラ系の話が多く、新たなアプローチが地方自治体に与える経済的効果や、産業的な広がりなどについて、鈴木知事の知見などもお聞きしながら、とても意義ある時間を過ごせた。
そして、こうした取り組みをしているぼくたちが、さらに日々ブラッシュアップをしながら、子どもたちに向けたコンテンツを作成し取り組んでいるTECH PARK KIDSについて。さらに、ものづくりスペースのTECH PARK MAKERSについてもご案内した。

Minecraftで協力しあう子どもたちと知事

子どもだから、子どもっぽいコンテンツの方がいいのかというのではなく、子どもでも、場合によっては大人が取組むようなモノのほうが断然効果が高いこともある。
こうしたことは、MAGELLAN BLOCKS事業にも言えることなわけで、翻って考えてみると、ぼくらなりの地域への根ざし方というか、事業戦略の社会的な価値の創造というか、そういうマイケル・ポーター的なアプローチが、企業には重要なのだということなどについて。などなど。

グルーヴノーツ名物にも乗っていただきました
ほんとに様々なディスカッションができて、本当に沢山の刺激をもらえました。福岡の首長も、訪問いただいたらキチンと説明させていただきます。
なぜか、県外や海外からの訪問の方が、圧倒的に多い会社ではありますが。。

2016年7月15日金曜日

bills福岡オープンパーティで感じたこと

出張帰りに、水上公園にできたbillsの開業記念パーティへ行ってきた。

オーナーのBill Grangerは、19歳の時に1年間美術を学ぶため日本に住んでいたらしい。日本好きの彼が、お台場・表参道・七里ヶ浜・横浜赤レンガ倉庫・二子玉川の次に選んだ場所が福岡。

bills福岡

前評判もあって素晴らしいパーティだったけど、ぼくが感じていたのは、パーティ的な盛り上がりではなく、bills的なものを生活の一部とできるか。そんなことだった。

実際Granger & Co.のサイトを見ると、料理の写真とともに、サーフィンの写真、海の写真が登場する。東京や横浜だけじゃなく、鎌倉を選んだことからも伝わってくるメッセージ。

つまり、食事をするということ、生活をするということ。都市と海から刺激をうけて生きるということ。それは単純に栄養を補給するとか、運動するとかだけでなく、様々なことを、ひと呼吸おいて考えること。

人は社会の中にあり、社会は自然や環境の中にある。社会が経済の中にあるのではなく、経済が社会の中にあるのだということ。

そうした都市と自然のバランスのとれた刺激を入り口として、あらたなクリエイティブを生み出していく。


店作りを含めた彼のプレゼンテーションには、そういう思いが感じられる。そして、このあたりが、ぼく個人としても、福岡にもっともっと浸透していったらなぁ、という部分だったりする。

楽しく盛り上がるだけが楽しさではない。世の中は溢れるばかりの可能性と刺激に満ちている。その刺激を感じるには、毎日を昨日の延長として生きるのではなく、明日への入り口として生きなければいけない。そしてその方が、パーティの刹那的楽しさより、ずっとずっと楽しく、誇りを持てる。

雑踏の中だったけど、そんな気持ちが強くなった夜でした。

2016年7月11日月曜日

だれもがつくれるIoTサービスを

ITは、本当に劇的な進歩を続けている。

最新の技術は、うまく組み立てることができれば、単純な構造だけどとてつもない性能と、圧倒的なコスト削減。そして何よりも、単純な構造だけに理解しやすい。そういった仕組みを作ることができる。

コンピュータを駆使するのは「会社の業務効率をあげて」という文脈ではなく、「いままでにないサービスを作り上げる」という方向へドンドン加速している。

だから、事業を構想したらすぐに試してみたい。間違えているところがあるとしたら、早く気づきたい。そして、すぐに修正してまた確かめ、一歩一歩望む未来に近づいていきたい。

外部の専門家を呼んで、頑張って資料作って、長々と説明して。そういうことではなく、自分たちで考え試行錯誤しながら前に進みたいと思っている人が、ホントに増えている。

ぼくたちは、これまで「MAGELLAN」というサービスで、圧倒的なアクセス量に耐える仕組みを提供してきた。このMAGELLANは、オンラインゲームやIoTでチカラを発揮し、無停止でとてつもない規模のサービスを運営し続けることに貢献してきた。

そして、今回。

ぼくらは、こうしたMAGELLANの性能をそのままに、誰もがとりくめるよう、ノンプログラミングでIoTサービスを作成する機能を、「MAGELLAN BLOCKS」に追加した。

“圧倒的”をすべての人に。

ぼくたちは、すべての人が最先端の技術を駆使し、世の中がもっともっと居心地のよいものになっていくことに貢献したい。

クリック数回と簡単な設定だけで、数台から数百万台を超えるデバイスまで、自動的に規模を増減していくサービスが、ホントに数分で完成する。

未来に、もっともっと挑戦したい人たち。ぜひ発表説明会に来てほしい。

2016年5月26日木曜日

TECH PARK KIDSという遊び場について

親の都合がモロモロあったんだと思うんだけど、子供の頃、引っ越しを何回かした。

強烈な印象に残っているのは鹿島田。住んでいた時間は、わずか3年だったと思うんだけど。

地名的には、川崎市幸区古市場。なんか幸薄そうな名前だけど、子供にはとても楽しかった。町工場とヤクザが目につく町で、手焼きせんべいのお店が多くて、人情味あふれる町医者がいて、喧嘩が強くないと生き残れないところもあって。ホントに喧嘩ばかりしていた。大阪府石橋市で育ったコテコテの関西人ちびっ子が、飛び込んできばかりなのにだ。大阪に住んでた時、喧嘩なんかしたことなかったのにね。


そこでは、夕方になると風呂桶に石鹸と手ぬぐいいれたおっさんが、ステテコ姿で銭湯に行くのが日常の風景。軒先で将棋やってる人もいて、じっと見ていたら「ぼうず、勉強しろよ。そうしねぇと、おれみたいになっちまうぞ。」と言ってくる素晴らしい反面教師がたくさんいた。

近くの三角公園には、高校生くらいの知的障害のにーちゃんがよく遊びに来ていて、ぼくとすごく気があって、いつも一緒に遊んだりして、親友のようだった。年上も年下も、公園に集まる子供はみんな友達で。3人くらいで小遣い出し合って、お好み焼き屋で一つだけ注文して食べたり。

あの時代、子供には子供の世界があったけど、近所のおっさんやおばちゃんが、いつもすぐそばにいた。見たこともないおじさんも、よく話かけてきたような気がする。

今も公園はあるし、子供もいるんだけど、公園に子供がいない。

公園には、「ボール遊び禁止、自転車禁止、大声禁止」とか書いてある。ボール使えなくて、自転車乗り入れられなくて、大きな声出せなかったら、遊べないじゃん。馬鹿話もできないじゃん。

しかも塾で忙しくて、不審者いるからってできるだけ家で遊ぶようになったとか。

気がついたら社会は随分と分断されちゃったんじゃないかと思うんだよ。

子どもは、近所のおっちゃんと公園でキャッチボールなんてしなくなったし。こどもはこども。

大人だって、随分と分断され、似たような人同士が集まっていて。社会が見えない壁で仕切られたみたいになってる。

それでも大人は、自力で世界を変えることができる。でも、こどもたち。

学校と、塾と、家庭を行ったり来たりしているだけじゃ、なんかさー。こどものうちに、もっともっと受けるべき刺激とか、周りとの関わりとか。そういうのなくっちゃ。ね?そう思わん?

そう思うとったら、やれることやろーやん。ということで、ぼくたちはTECH PARK KIDSという三角公園を作ったわけだ。

ここには、小学校一年生から六年生まで、年齢の違う子どもが一緒になって宿題して、コンピュータやロボットをおもちゃにして遊ぶ。

コンテンツは、そりゃもうぼくらエンジニア集団だから、そこらへんにある教科書なんか使わない。こどもが楽しんで何かをつかめるように、毎日毎日コンテンツを練りなおして、考えている。こどもの個性も違うし、年齢も違うからさ。こどもが大人に合わせるんじゃなくて、ぼくらがこどもにあわせてあげるべきだしね。だって、おれらプロだもん。

そりゃぁ、五年生が仮想空間に頑張って作った家を、二年生はぶっ壊すこともあるさ。そういう時は、やっちゃいけないことって何なのか学ぶ機会だし、年下の子が悪気なくやったことを許してやる度量を養う機会だし。まー、いうたらそんなのうちのスタッフ、すぐ直せるしね。

集まってくるこどもたちも、個性豊かで、みんなとびっきり可愛い。


YouTuberになりたいって、目をキラキラさせながら通ってくる子とか。おうちに帰ってから、今日TECH PARKでどんなゲームを作ったのか、お父さんに30分かけて熱く語った人見知り激しかったはずの子とか。

こどもなんだから、おもいっきり自由にやればいい。こどもなんだから、大人がちゃんと先回りして、抑制すべきところを抑制できるように導いてあげればいい。

発達障害とか、そんな言葉がドンドン世の中を歩きまわってるけど、気にすることなんかない。誰だって、うまく会話できないこともあるし、そんな気になれない時期だってあるさ。だってこどもなんだから。

規定された言葉なんかに負けないで、自由に、そしてちゃんとみんなとうまくやっていけるように。年齢が違っても、大人が相手でも。

だいじょうぶ。

だって、ぼくらは、みんなの味方だからね。